男子フィギュアスケートを題材にしたアニメ「ユーリ!!! on ICE」の劇場版の制作中止が発表されました。
2016年にテレビアニメが放送され、物語はもちろんクオリティが高い演技シーンなどで、すさまじい人気を博した作品。
2018年には劇場版の制作が発表され、2019年に公開予定でした。
その後、2度の延期発表を経て今回正式に中止が発表。
人気作品なだけに、中止の理由が気になります。
この記事では、
- 作品概要
- 中止までの経緯
- 中止理由を検証(5選)
これらについてお伝えしますので、ご覧ください。
ユーリオンアイスはどんな作品?
「ユーリ!!! on ICE」は、漫画家・久保ミツロウさんとアニメ監督の山本沙代さんによるオリジナルアニメ。
フィギュアスケートを題材に、スケーターたちの葛藤や成長を描いた物語です。
2016年10月~12月に、テレビ朝日系列で全12話が放送されました。
作中の振付をフィギュアスケート振付師として国内外で活躍する宮本賢二さんが担当。
実際に滑った動きをアニメ化するなどして実現したリアリティーのある演技シーンも話題になり、放送中から大変な人気になりました。
舞台となった唐津には聖地巡礼をするファンがつめかけ、イベントでは入場やグッズ購入に早朝から長蛇の列が。
また、現役スケーターの心も捉え、メドベージェフさんや小塚貴彦さんはコスプレを披露していましたね。
そんな人気を受けて、2018年に劇場版の制作が発表されました。
ユーリオンアイス映画の中止までの経緯
劇場版はヴィクトルの若い頃が描かれるとされ、2019年に公開の予定でした。
しかし2019年9月に、
「当初の計画より大幅な作品内容のスケールアップを図るため」
という理由で延期が発表。
ファンは2020年かな?と楽しみにしていましたが、2020年には再度延期が発表されることに。
特報映像とともに、
「揺るぎないスケート愛を映画作品として届けられるようスタッフ一同挑み続けます」
というコメントが発表されました。
この美しい映像に、ファンの期待は更に高まりましたが、2024年4月19日、正式に制作中止が発表されました。
「本作品を製作委員会・スタッフ一同でつくりあげ、皆様のもとに届けるべく、度重なる協議や調整を続けてまいりましたが、諸般の事情により製作を断念せざるを得ないという判断に至りました」
「諸般の事情」とは、いったい何なのでしょうか。
検証してみました。
ユーリオンアイス映画の中止理由5選!
①世界(ロシア)情勢
勇利の憧れの存在でコーチとなるヴィクトル・ニキフォロフはロシアの選手。
ライバルとなるスケーター、ユーリ・プリセツキーもロシア選手の設定です。
01/03
— 💚💦ルアンナ🍒 (@sgreuzzaaa) March 1, 2024
🎂 ユーリ・プリセツキー「Yuri Plisetsky」
📝 ユーリ!!! on ICE「Yuri!!! on Ice」 pic.twitter.com/qUZJWJ1Hwc
「ユーリ!!! on ICE」は海外のファンも多く、ロシアがウクライナ侵攻で世界的に批判を浴びている現状では、制作が難しかったのではないかという推察です。
ユーリ中止なのめちゃめちゃ悲しい🥲でも世界情勢的に無理か、、、
— そよ香@心を燃やせ🔥 (@NewSensation64) April 19, 2024
世界情勢的な問題? ユーリ…
— 🏀ゆん🔥🥦原稿 (@sd147_321) April 19, 2024
ただ、ロシアがウクライナに侵攻したのは2022年。
劇場版の最初の延期発表は2019年で、再度延期したのは2020年です。
それを考えると、少なくとも当初の延期には世界情勢は関係がなかったように思います。
②ロシア選手の出場禁止問題
現在、国際スケート連盟(ISU)は、ウクライナを侵攻したロシアとこれに同調したベラルーシの選手の国際大会出場を禁止しています。
これにより、2022-2023シーズン、2023-2024シーズンはロシアとベラルーシの選手は大会に出場していません。
そんな中で、ロシアのスケート選手が活躍する作品は制作しにくいと思います。
ただこれについても、2022年からの措置。
最初は発表通り「作品内容のスケールアップ」のための延期だったけれど、時間が絶つうちに世界情勢的に厳しくなったというのは考えられるかもしれません。
③ロシア選手のドーピング
現在ロシア選手には、ウクライナ侵攻だけではなくドーピング問題でも厳しい目が向けられています。
女子のカミラ・ワリエワ選手には、2021年12月からの4年間の資格停止処分が下されていますが、組織的な関与も疑われていました。
主要キャラがロシア選手の「ユーリ!!! on ICE」がドーピング問題に触れずに制作した場合、批判が出る可能性があるという理由も取りざたされています。
ユーリについては戦争云々以前にドーピング問題がいかんでしょって話はあるよね
— とろん (@TORON_krr) April 19, 2024
④フィギュア界のレベルアップ
テレビアニメが放送されていた2016年から比べると、フィギュア界はどんどん技が進化しています。
男子の4回転ジャンプは当たり前になり、アメリカのリニア・マリニン選手に至っては4回転半を成功し、フリーの中に5種6本の4回転を入れる時代。
採点方法も含め年々変化する競技なため、年数が経てば絶つほど続編は難しくなるジャンルと思われます。
そんな状況で、制作に行き詰まったのではないかとう推察もあります。
ユーリ中止かぁ。昔大好きだったし一応は映画ずっと待ってたんだけどな。確かにテレビアニメを放送してた時期とはもうフィギュアのルールも技の難易度も世界情勢も何もかも全然変わっちゃったもんね。4Fも4Lzも当時はとんでもないことって感じだったけど今じゃトップ選手達は普通に跳んでくるからな〜
— C (@ccc333tra) April 19, 2024
このアニメが、元々「5回転成功!」くらいのファンタジーであれば問題なかったと思いますが、リアリティーを追求していた作品なだけに、影響はあったかも知れません。
⑤制作会社MAPPAの問題
一方、これまで挙げた外的要因ではなく、制作会社の問題ではないかという意見もあります。
制作を担当するMAPPAは国内有数の制作会社として、2023年だけで「呪術廻戦」「進撃の巨人 The Final Season」など7本の作品が放送・放映。
2022年には異例の100%出資でテレビアニメ「チェンソーマン」を制作するなど、意欲的に手掛けています。
しかし2023年には仕事を受けたアニメーターから、
「報酬額が不明瞭なまま大量の仕事が振られた」
「あり得ないほど短期で仕事をさせる」
などのSNS投稿が相次いぐ事態に。
作画に非常に手がかかる「ユーリ!!! on ICE」は、キャパオーバーで優先順位が低くなったのではないかという声があります。
また、採算性を考えて呪術廻戦を優先させたと推察する意見もありました。
ユーリの制作中止の件、ロシア情勢どうこうはそうなる前に作れたんじゃないの?って思わなくもないんだよな……
— 限界 (@saramimogumogu) April 19, 2024
シンプルに昨今のアニメーターの方の暴露とかの内容を見るに、アニメを作れる環境としてボロボロなのかもしれん
ユーリの製作中止はMAPPAの劣悪制作環境と呪術に注力したい事情で切り捨てられたか、単純にロシア情勢による断念なのかのどっちかだよな
— わさび (@savi_wasavi) April 19, 2024
もしくは両方絡んでそうな気配しかしない
劇場版ユーリ鋭意制作中‼️
— りぷこ@スズカくんは次のジューンブライドイベに来ます(曇りなき眼) (@SzK_NextJB) April 19, 2024
(その間に)
呪術廻戦製作‼😁️
チェンソーマン製作‼️😁
ユーリ中止‼️←は???????
流石にそれはねえだろ公式さんMAPPAさんよお、
まとめ
この記事では、「ユーリ!!! on ICE」劇場版の制作中止の理由についてお届けました。
理由5選としてお伝えしましたが、1つではなく複合的にからみあって、中止という結論になったのではないかと思います。
楽しみにしていたので残念ですが、はっきり中止と発表してくれて良かったという意見もありました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。