札幌市厚別公園競技場で2023年8月2日(水)~8月6日(木)まで開催されている、北海道インターハイ陸上大会。
大会2日目の8月3日(木)は、雨が降りしきり強い風が吹く中で始まりましたが、昼過ぎには雨も上がり、各種目の決勝ラウンドでは陽射しも出ていました。
第2日の現地の様子と、トピックスとして、女子100m、女子1500m決勝についてレポートしていきます!
午前中は強い雨/運営の配慮で傘がOKに
厚別公園競技場は庇が無いので、2日目のように雨が降ると避難場所がありません。
筆者はいつものように、登山用のモンベルのレインウェアを持っていきましたが、開始早々優しいアナウンスが流れます。
本日は強い雨が降っています。通常陸上観戦は傘はご遠慮いただいていますが、本日はこのような雨のため、傘をさしての応援を許可します。どうぞ傘をおさしください。
一日目の「日傘は指定場所以外はダメよ」と同じく、落ち着いた男性の声での丁寧で優しいアナウンスは非常に好感が持てます。
観客席では皆さん、なるべく後ろの方の邪魔にならないようこじんまりと傘をさし、濡れることなく応援をしすることができました。
昼過ぎには雨も上がり、再びアナウンスが流れます。
お知らせしたように今回傘をさしての応援は許可しています。雨も上がり、この後陽射しも出てくると思いますが、その際の日傘については、昨日もご案内したように、指定の場所のみでお願いします。
とにかく丁寧。そして、論理的。
他の大会でもぜひ、参考にしていただくといいのでは?と思います。
女子100mは山形愛羽(熊本・熊本中央3年)が優勝!
レースの展開
レースは-2.9mと強い向かい風の中、行われました。
一発でスタートしましたが、山形選手は肉眼でもわかるほど、スタートで出遅れます。筆者は思わず「あっ」と声が出ました。
しかし焦って力が入ることなく、強い向かい風をものともせず加速し、60m付近で前を捉え、そのままリードしてゴール。
3m近い向かい風の中での11.92は、流石実力者です。
山形愛羽選手はどんなアスリート?
山形選手は100mと200mの選手で、自己ベストは次の通りです。
- 100m 11.68 高校歴代4位!(2023年6月 布勢スプリント)
- 200m 23.88(2022年5月静岡国際)
身長154cmと小柄ですが、ピッチ(足の回転)が武器です。
山形選手の陸上選手としてのトピックスをご紹介します。
- 母 奈緒美さんは元陸上短距離選手で現在も陸上クラブの指導者
- 母の影響で小学2年から陸上を始める
- 中学3年 全日本中学通信陸上100mで3位入賞
- 高校1年から3年まで熊本IH100m200m2冠×3連覇!
- 2022年 U20日本陸上競技選手権大会100mで高校2年ながら11.88で4位
- 2021年 北信越IH100m準決勝敗退、200m4位
- 2022年 四国IH100m7位、200m4位
- 2023年6月 布勢スプリントで11.68の高校歴代4位
- 2023年8月 北海道IH100mで優勝!
とにかく
激つよ
ですね。
そんな山形選手に課題があるとすると、スタートだと思います。
今回の北海道インターハイ100mの予選からのリアクションタイムを確認してみましょう。
カテゴリー | タイム (風) | リアクションタイム | RT 順位 |
---|---|---|---|
予選 | 12.13(-2.1) | 0.225 | 9人中 4位 |
準決勝 | 11.84(-2.7) | 0.243 | 8人中 5位 |
決勝 | 11.92(-2.9) | 0.238 | 8人中 8位 |
決勝は本当に見ているほうは焦りましたが、山形選手としては通常と変わらない反応だったことがわかります。
一方で強みは、ピッチと向かい風に強いことです。
今回の北海道インターハイでも向かい風でしたが、5月の水戸招待陸上では、-4.3mという非常に強い向かい風の中、12.28で優勝しています。
小柄で風の抵抗を受けにくいというのもありますが、体幹がしっかりしていることが推察されます。
今でも実力のある山形選手ですが、今後スタートが改善されると、更に進化が期待できますね!
山形選手は200mにも出場し、2冠を狙っているのでこちらも注目です。
女子1500mはカロライン選手が優勝!ドルーリー選手は3位!
カロライン選手が大会新&高校国内国際記録をマーク2連覇!
カリバ・カロライン選手(鹿児島・神村学園3年)はスタートすぐに先頭に立ち、300m地点でペースアップ。しばらくは2位に入ったジェシンタ・ニョカビ選手(神奈川・白鵬女女子年)もついていきますが、ラスト1周は独走体制となりゴールしました。
4.06.59の記録は大会新記録であり、高校国内国際記録も更新です!
カロラインは「とてもうれしいです。今日はとても良くできました」と感極まった表情で振り返った。午前は雨が降って涼しかったが、午後になると晴れて暑さが戻った。しかし、本人は「暑いのは好きです」と笑顔。昨年は1500&3000メートルを制しており、2年連続の2冠に期待がかかる。「3000メートルも自己ベストを出したい」と誓った。
THE ANSWER
暑いのは好きと頼もしいコメントです。3000mにも期待ですね!
また、神村学園はこの日、女子5000m競歩でも吉留美桜が優勝しました。チーム神村強いです。
ドルーリー朱瑛里選手は高校1年新記録で3位!
1年生ながら3位に入ったドルーリー朱瑛里選手(岡山・津山高校1年)は、終始「賢い」レース運びでした。
前を行くカロライン選手、ニョカビ選手を無理に追うことなく、3位集団の先頭でレースを進めます。
そして残り300mの辺りで少しペースアップする気配を見せ、周囲の選手の反応を見た後、ラスト200mでギアチェンジし、強烈なスパートで2位のニョカビ選手を追い、観客席は大いに沸きました。
惜しくも2位には届きませんでしたが、4.15.50の記録は、高校1年最高記録を塗り替える快走!
そしてこれまでの高1記録は誰が保持していたかと言うと、、、
田中希実選手 4.15.55です。
世界で活躍する田中選手の記録を更新したドルーリー選手の将来を考えるとワクワクしますね。
ただ、ドルーリー選手自身は、悔しさのほうが大きかったようです。
確かに筆者も見ていて、1年生でせっかくカロライン選手という実力者と競える機会なので、もう少し冒険をしてもいいのでは?という思いもよぎりました。
これからどんな進化を見せてくれるのか、非常に楽しみですね!
まとめ
北海道インターハイ陸上競技、第2日のトピックスとして、女子100m決勝、女子1500m決勝についてお伝えしました。
女子100mを制した山形愛羽選手は、4日目5日目に行われる200mにも、2冠を目指して出場します。
また、女子1500mの覇者カリバ・カロライン選手も、2冠2連覇をかけて同じく4日目5日目の3000mに出場。ドルーリー朱瑛里選手は、3日目4日目の800mに挑みます。
暑い中のレースとなりそうですが、応援しましょう!