男子マラソン2時間0分35秒の世界記録を持つ、ケニアのケルビン・キプタム選手が交通事故で死亡したいう報道がありました。
人類初の2時間切りが期待されていただけに、衝撃と悲しみが広がっています。
過去には、同じくケニア人長距離選手のオツオリ選手も事故で死亡。
モグス選手もケニアで事故にあっています。
ケニアの交通事情はどうなっているのでしょうか。
この記事では、
- キプタムの事故原因や車種は?
- 過去のケニア人選手の交通事故
- ケニアの交通事情は?動画も紹介
これらについて、お伝えします。
キプタム(マラソン)の事故原因や車種は?

キプタム選手の事故については、CNNに詳細がありました。
陸上男子マラソン世界記録保持者のケルビン・キプタムさん(24)と監督のガルベ・ハキジマナさん(36)が11日夜、ケニアのエルドレット郊外で起きた交通事故で死亡した。地元警察がCNNに明らかにした。
キプタムさんが運転するトヨタのプレミオは現地時間の午後11時ごろ、制御できなくなって道路をそれ、60メートル離れた溝に突っ込んで大木に衝突した。
この事故でキプタムさんとハキジマナさんが死亡し、車内にいたもう1人は重傷を負った。
引用:CNN
CNNニュースと、アフリカの報道雑誌「Nation. Empower Africa. 」の報道をまとめると次のとおりです。
- 運転していたのはキプタム選手
- 助手席にコーチのハキジマナさん、後部座席に女性
- 車種はトヨタのプレミオ
- 場所はカプタガット地区でエルドレットに向かっていた
- 事故は午後11時頃
- 車を制御できなくなって大木に衝突
- キプタム選手とハキジマナコーチはその場で死亡が確認
- 女性は近くの病院に運ばれたが重症
ということです。
夜遅い時間の移動な上、キプタム選手自身が運転していたのですね。
制御できなくなったということは、スピードを出していたのでしょうか。

事故の写真からも、大きな衝撃があったことがわかります。
コーチのハキジマナさんはルワンダ出身の元プロ選手で、5000mやハーフマラソンなどさまざまな競技に出場していたそうです。
ケニアではオツオリやモグスも過去に自動車事故
実は、ケニア人陸上選手の事故報道は、これが初めてではありません。
有名な選手の事故についてお伝えします。
オツオリ選手の死亡事故
山梨学院大学時代、箱根駅伝大会に4回出場し(1989年~1992年)、花の2区で3年連続区間賞と大活躍したジョセフ・オツオリ選手。

卒業後はトヨタ自動車所属を経て、一時母国に帰国していましたが、2003年には再来日し、重川材木店で大工として働きながら、陸上部のコーチ兼選手として活動。
2006年には全日本実業団対抗駅伝大会の本選初出場へと導くなど活躍していました。

しかし2006年8月30日、一時帰国中のケニアで自動車を運転中、対向車線を走っていたバスと正面衝突する事故で37歳で急死。
テレビのバラエティー番組にも度々出演するなど日本では馴染の深い選手だったので、死亡の報道には悲しみが広がりました。
モグス選手の事故
同じく山梨学院大学の留学生だったメクボ・モグス選手。

箱根駅伝では4年連続(2006年~2009年)エース区間の2区を任され、2年連続区間記録を達成するなど活躍しました。
しかし、大学4年時の2009年2月9日、レースに参加するために帰国していたケニアで自動車事故に遭います。
車はモグス選手が運転。
故障車を追い越す時に対向車が来て接触したそうです。
モグス選手は軽症で、後部座席の大学の同僚オンディバ・コスマス選手は無事。
しかし、助手席に乗っていた木村コーチは、重体のためヘリコプターでナイロビの病院に搬送されました。
モグス選手は就職が決まっていたアイデムに進んで競技を続けましたが、事故のショックからか大きな活躍はできませんでした。

ケニアの交通事情は?
在ケニア日本国大使館では、ケニアの交通環境について、このような注意喚起をしています。

また、ケニアの交通事故による死亡率は、日本の7.9倍という調査結果もあります。

私たち日本人が想像する以上の交通事情であることがわかります。
一時、プロランナーとしてケニアを拠点に競技活動をしていた福田穣選手のケニアでの移動動画をご紹介します。(現在はひらまつ病院所属)。
考えられないような状況ですが、これがケニアでは当たり前のようです。
まとめ
この記事では、キプタム選手の交通事故についてお伝えしました。
キプタム選手はまだ24歳で、2時間切りはもちろん、今後が非常に期待されていた選手。
陸上界にとって大きな損失です。
ケニアの交通事情を何とかしてほしいとも思います。
キプタム選手の御冥福を心よりお祈りいたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。