2024年1月19日の午前11時過ぎ、阪神高速で渋滞中の車列に大型トラックが突っ込み、車4台が絡む玉突き事故がありました。
残念ながらこの事故で、軽乗用車に乗っていた男女2人が亡くなっています。
突っ込んだのは、香川県の丸点通運株式会社のトラック。
調査したところ、この会社は過去にも死亡事故を起こし、行政処分を受けていました。
また、運転手の名前も判明。
この記事では、
- 事故の概要
- 容疑者のトラック運転手の名前
- 丸点通運の過去の死亡事故と違反内容
について、お伝えします。
阪神高速事故の概要
事故の概要です。
- 日時:2024年1月19日 午前11時頃
- 場所:阪神高速湾岸線の下り「深江浜IC」付近
- 内容:車4台が絡む玉突き事故
追い越し車線の渋滞の列に、次の順番で停まっていました。
1.トレーラー
2.タンクローリー
3.軽自動車
そこに大型トラックが突っ込み、軽自動車は数十センチになってしまうほど大破。
乗っていた70代と見られる男女2人が亡くなりました。
また、タンクローリーを運転していた男性が腰の痛みを訴えています。
【阪神高速事故】追突したトラックの運転手の名前は切幡伴宏
過失運転傷害の疑いでその場で逮捕されたのは、
高知市の切幡伴宏容疑者(49歳)
切幡容疑者は、
「車内の荷物が落ちてよそ見をしていたら追突してしまった。ブレーキが間に合わなかった」
と供述しているということです。
【阪神高速事故】追突したトラック所有の丸点通運は過去の死亡事故とは
切幡容疑者が運転していたトラックは、香川県の丸点通運株式会社の所有です。
- 法人名:丸点通運株式会社
- 代表:塩田嘉明
- 所在地:〒760-0065 香川県高松市朝日町5-15-1
- 支店:松山支店・高知支店・徳島支店
- 資本金:4,800万円
- 従業員数:250名(別サイトでは150名の記載も)
- 車両台数:205台
- 設立:1933年(別サイトでは1950年の記載も)
- 事業:一般貨物自動車運送業
※「ドラマッチ」より
調べたところ、丸点通運は過去にも死亡事故を起こし、国土交通省から行政処分を受けていました。
こちらが、判明しているものの一覧です。
■2020年2月処分
- 監査日:2019年10月17日・31日
- 監査のきっかけ:死亡事故
- 処分:輸送施設の使用停止(100日車)及び文書警告
- 違反内容(11件)
(1)営業所に配置する車両数等の変更を届け出ていなかったこと
(2)運転者の過労防止に関する措置が不適切であり、所定の拘束時間の限度を超え、また所定の休息期間が十分確保されない状態で乗務していた者があったこと
(3)運転者の過労防止に関する措置が不適切であり、1箇月の拘束時間の限度を超えて乗務していた者があったこと
(4)運転者の健康状態の把握が確実になされていなかったこと
(5)運転者に対する点呼が確実になされていなかったこと
(6)運転者に対する点呼の実施結果の記録内容が不適切であったこと
(7)運転者の乗務について定められた事項の記録が不適切であったこと
(8)新たに雇い入れした運転者に対して事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき事項についての特別な指導が不適切だったこと
(9)新たに雇い入れした運転者に対して法令で定められた適性診断を受診させていなかったこと
(10)整備管理者の変更の届け出をしていなかったこと
(11)運行管理者の解任の届け出をしていなかったこと
※四国運輸局自動車運送事業安全監理室より
違反内容がすごいですね。何もやっていなかったに等しいです。
遡ると、もう1件ありました。
■2014年7月処分
- 監査日:2014年1月9日・10日・20日
- 監査のきっかけ:死亡事故
- 処分内容:車両の使用停止60日車+文書警告(松山支店は車両の使用停止10日)
- 違反内容:
(本社)
事業計画の遂行に十分な数の運転者を常時選任していなかったことなど13件
(徳島支店)
運転者の過労防止に関する措置が不適切であり、所定の拘束時間の限度を超え、また所定の休息期間が十分確保されない状態で乗務していた者があったことなど11件
(松山支店)
運転者に対する点呼の実施結果の記録内容が不適切であったことなど3件
2014年分は細かい違反内容の資料が残っていませんでしたが、徳島支店はおそらく2020年と同じ違反、本社はそれに「事業計画の遂行に十分な数の運転者を常時選任していなかった」などの違反が加わっていたと思われます。
このように、判明しているだけで、2019年、2014年に死亡事故を起こしていることがわかりました。
運転者数が足りないことや、拘束時間や休息時間が守られていない、健康診断も行われていないなどは従業員にとってブラック企業です。
一方、諸々の届け出をしてない、記録が不適切など、会社としてかなり杜撰な状態だったようです。
2020年の処分以降も、改善されていなかったのでしょうか。
まとめ
この記事では、阪神高速事故についてお伝えしました。
- 突っ込んだトラックの運転手は切幡伴宏(49歳)
- トラックの会社は丸点通運
- 丸点通運は過去にも死亡事故を起こしていた
- 就業環境がブラックで管理は杜撰だった
以上のことがわかりました。
お亡くなりになったお2人のご冥福と、怪我をされた方の回復を、心よりお祈り致します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。