ブダペスト世界陸上の日本代表はどうなる?ワールドランキング圏内まるわかり一覧で紹介!

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ブダペスト ナショナル・アスレチック・センター
画像:World Athletics
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2023年8月19日(土)~8月27日(日)までブダペスト(ハンガリー)にて開催される世界陸上競技選手権大会、通称世陸。

日本代表選手の発表も、8月3日(木)に迫ってきました。

あれ?昨年もやってなかった?
世陸って毎年開催なの?

奇数年開催だよ!
でも2021年のオレゴン大会が、コロナ禍で延期になった東京五輪と重なったから2022年になったんだよ!

陸上ファンには、毎年世界大会が観戦でき、嬉しい限りですね!

この記事では、トラック&フィールド種目の

・ブダペスト世陸の選考基準
・日本の代表選手は誰が選ばれる?
・現時点での内定者と代表候補者

これらについて、わかりやすく解説していきます!

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目次

ブダペスト世界陸上の選考基準

基本的な選考基準は

・世界陸連(WA)が設定した参加標準記録を切る
・ポイント制のワールドランキングでターゲットナンバーに入る
・上記いずれかに該当する選手の中から、各国の選考基準によって各種目3名までが派遣可能
 *参加標準記録の有効期間は2022年7月31日~2023年7月30日(10000m、混成競技、リレー種目は2022年1月31日~)
 *各種目で上位何番まで出場できますよ、と決められている人数

となっています。
では、具体的に見ていきましょう。

各種目の参加標準記録とターゲットナンバー(トラック&フィールド)

スクロールできます
種目ブダペスト
参加標準記録
オレゴン
参加標準記録
ターゲット
ナンバー
日本記録
男子
100m10.00(10.05)489.95
200m20.16(20.24)4820.03
400m45.00(44.90)4844.78
800m1.44.70(1.45.20)561.45.75
1500m3.34.20(3.35.00)563.35.42
5000m13.07.00(13.13.50)4213.08.40
10000m27.10.00(27.28.00)2727.18.75
3000mSC8.15.00(8.22.00)368.09.91
110mH13.28(13.32)4013.04
400mH48.70(48.90)4047.89
走高跳2m32(2.33)362m35
棒高跳5m81(5.80)365m83
走幅跳8m25(8.22)368m40
三段跳17m20(17.14)3617m15
砲丸投21m40(21.10)3618m85
円盤投67m00(66.00)3662m59
ハンマー投78m00(77.50)3684m86
やり投85m20(85.00)3687m60
十種競技8460点(8350)248308点
女子
100m11.08(11.15)4811.21
200m22.60(22.80)4822.88
400m51.00(51.35)4851.75
800m1.59.80(1.59.50)562.00.45
1500m4.03.50(4.04.20)563.59.19
5000m14.57.00(15.10.00)4214.52.84
10000m30.40.00(31.25.00)2730.20.44
3000mSC9.23.00(9.30.00)369.33.93
110mH12.78(12.84)4012.73
400mH54.90(55.40)4055.34
走高跳1m97(1m96)361m96
棒高跳4m71(4m70)364m41
走幅跳6m85(6m82)366m97
三段跳14m52(14m32)3614m16
砲丸投18m80(18m50)3618m22
円盤投64m20(63m50)3659m03
ハンマー投73m60(72m50)3669m89
やり投63m80(64m00)3667m04
七種競技6480点(6420点)255975点
         *日本記録は7/21時点

見てわかるように、オレゴン大会に比べてほとんどの種目で、標準記録が厳しくなっています、、、。

記録で出場できるのはトップオブザトップに絞るという、WA(世界陸上連盟)の方針が読み取れますね。

そして、表のオレンジ色は、参加標準記録よりも日本記録が下回っている種目です。
つまり、日本記録を出さないと標準を切れない(泣)
なかなか厳しい設定となっています。

じゃあ、日本の参加選手が減っちゃうの?

ワールドランキングで選出されるために、カテゴリー上位(ポイントの高い)の大会に積極的に参戦するようになったよ!

ブダペスト世界陸上の日本代表選手はどうなる?

標準記録突破した人と、ランキング上位の選手たちから3人選ばれるのかな?

ノンノン!
それがそうじゃないから、ややこしい。
基本の選考基準に各国の選考基準によって3名選出ってあったでしょ?

そうなんです。日本陸連の選考方法を確認していきましょう。

日本陸連のブダペスト世界陸上選考方法(トラック&フィールド)

個人種目(男女10000mを除く)の選考方法は以下のとおりです。
内定条件、選考条件ともに、数字の若い順から優先されます。

長くて複雑ですが、日本選手権3位以内 という条件と、参加標準記録を満たした という条件の優先順位に注目して流し読みしていただければ、後ほどポイントはお伝えします。

【内定条件】
1)ワイルドカードにより本大会の参加資格を得た競技者。

2)オレゴン 2022 世界陸上競技選手権大会で 8 位以内の成績を収めた日本人最上位の競技者で、2023 年 1 月 1 日から日本選手権終了日までに、ワールドランキング対象競技会において参加標準記録を満たした競技者。

3)日本選手権以降に、ワールドランキング対象競技会において参加標準記録を満たした、またはワールドランキング(2023 年 8 月 2 日公表予定)により参加資格を得た、オレゴン 2022 世界陸上競技選手権大会で 8 位以内の成績を収めた日本人最上位の競技者。

4)日本選手権 3 位以内の成績を収めた競技者であって、日本選手権当該種目終了時点までに本大会の参加標準記録を満たした競技者。下記の項目(数字の若い順に優先)により優先順位を定める。
 ① 日本選手権の順位
 ② 参加標準記録有効期間開始日から日本選手権終了時点までの記録
 ③ 日本選手権の成績が反映された直後のワールドランキング

【選考条件】
5)日本選手権 3 位以内の成績を収めた競技者であって、参加標準記録有効期間内に参加標準記録を満たした競技者。ただし、下記の項目(数字の若い順に優先)により優先順位を定める。
 ① 日本選手権の順位
 ② 参加標準記録有効期間内の記録
 ③ 上記①~②の基準で優劣がつかない場合は、2023 年度に開催される国内外主要競技会(日本グランプ リシリーズ等)の成績

6)ワールドランキングによりターゲトナンバー以内に入った者で、日本選手権 3 位以内の成績を収めた競技者。ただし、下記の項目(数字の若い順に優先)により優先順位を定める。
 ① 日本選手権の順位
 ② 基準ワールドランキングの順位
 ③ 参加標準記録有効期間内の記録
 ④ 上記①~③の基準で優劣がつかない場合は、2023 年度に開催される国内外主要競技会(日本グランプ リシリーズ等)の成績

7)参加標準記録を満たした競技者。ただし、下記の項目(数字の若い順に優先)により優先順位を定める。
 ① 日本選手権の成績
  a. ラウンド進出上位
  b. 同じラウンド内で比較する場合は上位ラウンドでの記録上位
 ② 参加標準記録有効期間内の記録
 ③ 上記①~②の基準で優劣がつかない場合は、2023 年度に開催される国内外主要競技会(日本グランプリシリーズ等)の成績

8)基準ワールドランキングにより本大会の参加資格を得た者。ただし、下記の項目(数字の若い順に優先)により優先順位を定める。
 ① 日本選手権の成績
  a. ラウンド進出上位
  b. 同じラウンド内で比較する場合は上位ラウンドでの記録上位
 ② 基準ワールドランキングの順位
 ③ 参加標準記録有効期間内の記録
 ④ 上記①~③の基準で優劣がつかない場合は、2022 年度に開催される国内主要競技会(日本グランプリシリーズ等)の成績

9)エントリー締め切り後に WA から追加による参加資格が認められた競技者。

日本陸上競技連盟公式サイトより引用一部抜粋

とても簡単に言うと、選考会である日本選手権で3位以内に入ることが物凄く重要!!

参加標準記録を突破していても、ワールドランキング上位でも、日本選手権で3位以内に入れなければ、選考条件は下になってしまいます。

え、じゃあ、こんなに高い設定の参加標準記録を突破してても、出られない場合もあるの?

そうなのよ、、、
では、この選考方法を当てはめると現在の代表争いはどうなっているかを見てみよう!

現時点での代表内定選手と当確ラインの候補者

選考対象期間は2023年7月30日までです。
以下の一覧は、あくまで7月21日時点での記録やランキングによるもので、今後変動する可能性が大いにあります。

内定選手は赤色、選考基準に則った現時点での当確ラインにある候補選手を青色で示しました。
名前の前の数字は、日本選手権の順位です。

スクロールできます
種目ブダペスト
参加標準記録
ターゲット
ナンバー
参加標準記録突破WRがターゲット圏内()内は順位
男子
100m10.0048 1.坂井隆一郎(28)
2.栁田大輝(27)
*8.サニブラウン・ハキーム(52)
200m20.1648 1.鵜澤飛羽(29)
7.上山紘輝(29)
5.飯塚翔太(47)
400m45.00483.佐藤拳太郎(45.00)1.中島佑気ジョセフ(32)
2.佐藤風雅
(35)
800m1.44.7056  
1500m3.34.2056  
5000m13.07.0042 1.遠藤日向(32)
2.
塩尻和也(33)
10000m27.10.0027  
3000mSC8.15.00361.三浦龍司(8.09.91)7.青木涼真(24)
2.砂田晟弥(33)
110mH13.28401.泉谷駿介(13.04)
2.高山峻野(13.10)

欠場 村竹ラシッド(13.25)
DNF 野本周成(13.28)
3.横地大雅(36)
400mH48.7040 3.児玉悠作(27)
8.岸本鷹幸(39)
走高跳2m32361.赤松諒一(13)
3.真野友博(16)

2.長谷川直人(23)
5.瀬古優斗(32)
棒高跳5m8136 1.柄澤 智哉(34)
走幅跳8m253610.吉田弘道(8m26) 2.橋岡優輝(27)
1.城山正太郎(29)
三段跳17m2036  
砲丸投21m4036  
円盤投67m0036  
ハンマー投78m0036  
やり投85m2036 1.ディーン元気(12)
3.﨑山雄太(24)
2.新井涼平(28)
十種競技8460点24  
女子
100m11.0848  
200m22.6048  
400m51.0048  
800m1.50.8056  
1500m4.03.5056 1.田中希実(34)
2.後藤夢(44)
5000m14.57.00421.田中希実(14:53.60)8.山本有真(31)
21.廣中 璃梨佳(42)
10000m30.40.00271.廣中璃梨佳(30:39.71) 
3000mSC9.23.0036  
110mH12.78404.福部真子(12.73)1.寺田明日香(25)
2.青木益未(28)
3.田中 佑美(33)
400mH54.9040  
走高跳1m9736  
棒高跳4m7136  
走幅跳6m85361.秦澄美鈴(6m97) 
三段跳14m5236 1.森本麻里子(16)
2.高島真織子(29)
砲丸投18m8036  
円盤投64m2036  
ハンマー投73m6036  
やり投63m80362.北口榛花(67m04)1.斉藤真理菜(14)
3.上田百寧(27)
十種競技6480点25  
     *敬称略 *7/21時点

あれれ?日本記録を出した福部選手は出られないの??

これが日本選手権重視の選考の恐ろしいところ。
とにかく3位以内に入ることが大切。
いろんな大会を観に行くけど、日本選手権のピリピリ感は特別よ。

ワールドランキングの変動が気になる選手たち

これから9日間、日本でも世界でもまだまだレースが開催されます。

以下の選手たちはランキングを睨みながら、それぞれの方針に沿って、有効期限までレースに出場したり、準備をしたりしていくと思われます。

  • 男子100m【48】サニブラウン・ハキーム選手(52)
    *オレゴン世界陸上で入賞しているため、ランキング圏内に入れば第一内定者になる
  • 男子200m【48】飯塚翔太選手(47)
  • 男子3000mSC【36】砂田晟弥選手(33)
  • 男子110mH【40】横地大雅選手(36)
  • 男子400mH【40】岸本鷹幸選手(39)
  • 男子走高跳【36】瀬古優斗選手(32)
  • 女子5000m【42】廣中璃梨佳選手(42)

誰かが圏内に入ると誰かが選ばれない、という種目もありますが、一人でも多くの選手が参加できるよう応援していきたいですね。

ワールドランキングについては、WA(世界陸連)のページで簡単に調べることができますよ!
大体、水曜日に更新されていることが多いように思います。

こちら⇓

ページの見方については、日本陸連がわかりやすく説明してくれているので、紹介しておきます。

Road To Budapest 23 の見方説明
Road To Budapest 23 の見方説明
引用:日本陸上連盟

まとめ

ブダペスト世界陸上の選考方法と、7月20日時点での内定者と代表候補選手についてご紹介しました。

有効期限は7月30日まで、各国でまだまだ大会が開催されます。

日本でも、昨年までは8月に開催していた「Athlete Night Games in FUKUI 」が、グランプリシリーズに昇格した上で、ギリギリの7月28日~29日開催となったのは、最後の滑り込みを狙ってのことと推察されます。

ワクワク、ドキドキしながら残りのレースを観戦し、ワールドランキングをチェックしながら発表を待ちましょう!

男子110mH、女子100mHなど、混戦模様の種目についての展望は、こちらの記事も合わせてご覧ください!

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